大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)387 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中田忠雄の上告趣意第一、二点について。

所論は、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人島田武夫の上告趣意第一点について。

所論は、判例違反をいうけれども、第一審判決判示放火未遂の事実は、その挙示

する証拠によればこれを認定することができないわけではなく、論旨引用の判例は

いずれも本件に適切でない。

同第二点について。

しかし、記録を精査しても所論被告人の供述が任意のものでないと認むべき資料

はない。それゆえ、所論違憲論及び判例違反の主張は、いずれも、前提を欠くもの

である。

同第三点について。

所論鑑定書によると、鑑定人が所論煙草の吸差を藁がいに差込んで藁に燃え移ら

なかつたのは、吸差の火を上に向けて差込んだ時だけである。火を下に向けて差込

んだ時は、一回で燃え移つている。そして、被告人の供述を、火を上に向けて差込

んだものと解しなければならない理由はない。されば、原審が鑑定の結果は、第一

審の認定と牴触するものではないと判示したのは当然である。原審は何等判例と反

する判断をしているわけではなく、論旨は理由がない。

また、記録を調べても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和二八年一一月一〇日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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